詩篇89篇 大いに畏れ敬われる方です。
詩篇89篇 大いに畏れ敬われる方です。
ダビデを選んで、油を注ぎ、イスラエルの国を確かなものとされたが、イスラエルは、神様の教えを捨て、最悪の結果を招くようになった。
この著者は、神様と選びの民イスラエルとの関係を描き、神様の偉大さと共に、神様を自分の神として生きるものの幸いをあらわす。
しかし、そのすばらしい神様を自分から取り除くとき、どんなに悲惨な状況に陥るかを表す。
そのようなことを理解するには、以下のような前提が必要である。
1.神様は、生きておられる。
2.神様は、人格を持っている。つまり、知・情・意を持ち、人間とのかかわりの中で、人格的に接してくださる。
3.神様と人間の関係に、会話ができる。つまり、話したり、聞いたりすることができ、互いに情を通い合い、意思を持って、互いの関係を進む。
4.神様は、超自然的な力を持っている。
5.神様は、そのような力を人格的に振舞う。要するに、暴力的に、あるいは、一方的に物事を行うのではなく、人間との会話と人格的な関係を通して行う。
上記の条件を前提にして、神様と人間は、会話・契約(約束)・喜び・意思を持って互いに幸いの道を歩むこととなる。
この詩篇は、イスラエルが神様を捨てて、自分勝手な道を歩む後神様の正しい裁きを受けているとき、神様に祈る内容である。
結論的に、人間が神様を思うとき、そして、ある決断をするとき、神様を大いに畏れ敬われる方であることを覚えることです。
ゴスペルハウス
アブラハム・リー
89:1 【マスキール。エズラ人エタンの詩。】
89:2 主の慈しみをとこしえにわたしは歌います。わたしの口は代々に/あなたのまことを告げ知らせます。
89:3 わたしは申します。「天にはとこしえに慈しみが備えられ/あなたのまことがそこに立てられますように。」
89:4 「わたしが選んだ者とわたしは契約を結び/わたしの僕ダビデに誓った
89:5 あなたの子孫をとこしえに立て/あなたの王座を代々に備える、と。」〔セラ
89:6 主よ、天があなたの驚くべき力を告白し/聖なるものがその集会で/あなたのまことを告白しますように。
89:7 雲の上で、誰が主に並びえましょう/神々の子らの中で誰が主に比べられましょう。
89:8 聖なるものの集いにおいて/あなたは恐れられる神。御もとにあるものすべてに超えて/大いに畏れ敬われる方です。
神様の本当の姿:
89:9 万軍の神、主よ/誰があなたのような威力を持つでしょう。主よ、あなたの真実は/あなたを取り囲んでいます。
89:10 あなたは誇り高い海を支配し/波が高く起これば、それを静められます。
89:11 あなたはラハブを砕き、刺し殺し/御腕の力を振るって敵を散らされました。
89:12 天はあなたのもの、地もあなたのもの。御自ら世界とそこに満ちるものの基を置き
89:13 北と南を創造されました。タボル山、ヘルモン山は/御名を喜び歌います。
89:14 あなたは力強い業を成し遂げる腕を具え/御手の力を振るい/右の御手を高く上げられます。
89:15 正しい裁きは御座の基/慈しみとまことは御前に進みます。
89:16 いかに幸いなことでしょう/勝利の叫びを知る民は。主よ、御顔の光の中を彼らは歩きます。
89:17 絶えず、御名によって喜び躍り/恵みの御業にあずかって奮い立ちます。
89:18 あなたは彼らの力の輝きです。御旨によって、我らの角を高く上げてください。
89:19 主は我らの盾/イスラエルの聖なる方は我らの王。
89:20 あなたの慈しみに生きる人々に/かつて、あなたは幻によってお告げになりました。「わたしは一人の勇士に助けを約束する。わたしは彼を民の中から選んで高く上げた。
89:21 わたしはわたしの僕ダビデを見いだし/彼に聖なる油を注いだ。
89:22 わたしの手は彼を固く支え/わたしの腕は彼に勇気を与えるであろう。
89:23 敵は彼を欺きえず/不正な者が彼を低くすることはない。
89:24 わたしは彼の前で彼を苦しめる者を滅ぼし/彼を憎む者を倒す。
89:25 わたしの真実と慈しみは彼と共にあり/わたしの名によって彼の角は高く上がる。
89:26 わたしは彼の手を海にまで届かせ/彼の右の手を大河にまで届かせる。
89:27 彼はわたしに呼びかけるであろう/あなたはわたしの父/わたしの神、救いの岩、と。
89:28 わたしは彼を長子とし/地の諸王の中で最も高い位に就ける。
89:29 とこしえの慈しみを彼に約束し/わたしの契約を彼に対して確かに守る。
89:30 わたしは彼の子孫を永遠に支え/彼の王座を天の続く限り支える。
・・・ここから条件がはっきりされる。神様の教えを捨てるものに当たる結果:
89:31 しかし、彼の子らがわたしの教えを捨て/わたしの裁きによって歩まず
89:32 わたしの掟を破り/わたしの戒めを守らないならば
89:33 彼らの背きに対しては杖を/悪に対しては疫病を罰として下す。
89:34 それでもなお、わたしは慈しみを彼から取り去らず/わたしの真実をむなしくすることはない。
89:35 契約を破ることをせず/わたしの唇から出た言葉を変えることはない。
89:36 聖なるわたし自身にかけて/わたしはひとつのことを誓った/ダビデを裏切ることは決してない、と。
89:37 彼の子孫はとこしえに続き/彼の王座はわたしの前に太陽のように
89:38 雲の彼方の確かな証しである月のように/とこしえに立つであろう。」〔セラ
・・・神様を捨てた人々の結果:
89:39 しかしあなたは、御自ら油を注がれた人に対して/激しく怒り、彼を退け、見捨て
89:40 あなたの僕への契約を破棄し/彼の王冠を地になげうって汚し
89:41 彼の防壁をことごとく破り/砦をすべて廃虚とされた。
89:42 通りかかる者は皆、そこで略奪し/周囲の民は彼を辱める。
89:43 彼を苦しめる者の右の手をあなたは高く上げ/彼の敵が喜び祝うことを許された。
89:44 しかも、彼の剣を再び岩のかけらとし/戦いの時にも、彼の力を興してくださらない。
89:45 あなたは彼の清さを取り去り/彼の王座を地になげうたれた。
89:46 あなたは彼の若さの日を短くし/恥で彼を覆われた。〔セラ
・・・著者の祈り:
89:47 いつまで、主よ、隠れておられるのですか。御怒りは永遠に火と燃え続けるのですか。
89:48 心に留めてください/わたしがどれだけ続くものであるかを/あなたが人の子らをすべて/いかにむなしいものとして創造されたかを。
89:49 命ある人間で、死を見ないものがあるでしょうか。陰府の手から魂を救い出せるものが/ひとりでもあるでしょうか。〔セラ
・・・約束を覚えてください:
89:50 主よ、真実をもってダビデに誓われた/あなたの始めからの慈しみは/どこに行ってしまったのでしょうか。
89:51 主よ、御心に留めてください/あなたの僕が辱めを受けていることを/これら強大な民をわたしが胸に耐えていることを。
89:52 彼らは、主よ、あなたの敵であり/彼らは辱めるのです。彼らはあなたの油注がれた者を追って/辱めるのです。
89:53 主をたたえよ、とこしえに。アーメン、アーメン。